
韓国・アリランTVのニュース番組で、単独インタビューを受けた鳩山元首相。彼は「元首相」の肩書を利用して過去に何度も韓国への謝罪を重ねてきた人物だ。このインタビューでも彼は韓国民に謝罪し、慰安婦問題について日本政府の姿勢を批判した。インタビューで彼が語った内容とは……。(ビジネスライター 羽田真代)
●鳩山元首相が、韓国・アリランTVのインタビューに出演
韓国のアリランTV「アリランニュース」は6月9日、鳩山友紀夫元首相(注:2013年に由紀夫から友紀夫に改名)のテレビインタビューの様子を放送した。このインタビューはムン・ゴンヨンという女性アンカーが進行し、日韓関係、北東アジア情勢、文化交流などについて鳩山元首相に意見を求める内容だった。
鳩山元首相といえば、「竹島は韓国領土」という趣旨の文をSNSに掲載したり、2015年の訪韓時にソウル市西大門(ソデムン)刑務所で日本の歴代首相で初めてひざまずいて謝罪したりした人物だ。彼の謝罪は、韓国で「誠意が感じられる」と一定の評価を受けた。
加えて、最近では5月10日の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の就任式に個人枠で招待されて出席。尹大統領から「韓日関係の先生になってほしい」と言われ、再び注目を浴びたことが記憶に新しい。
彼は毎年韓国を訪れているし、韓国寄りの発言を繰り返すことから、「親韓」「知韓」の日本人として(韓国では)知られている。
●尹大統領に「日韓首脳が年に1度相手国を行き来すべき」と強調
鳩山元首相はインタビューでどんなことを話したのか。以下、アリランニュースで報じられた内容をお伝えする。
大統領就任式の前日、鳩山元首相は尹氏と2人きりで会った。
その時、尹氏から「韓日関係の先生になってほしい」と言われ、この内容は日韓両メディアで報道された。鳩山元首相はこの時、「日韓関係を発展させるためにできることは何でもしたいと思った」とインタビューで語っている。
彼は、尹大統領について「未来志向的な指導者だ」とインタビューで評価した。“条件なし”に、日本と対話をして日韓関係を改善したいという強い尹氏の意志を評価してのことだ。ちなみに鳩山元首相はこのインタビューで「“条件なし”の対話が必要だ」と数度にわたり言及した。
また、両国首脳が年に1度、相手国を行き来しながら、格式にこだわらない実務会談を開き、疎通を拡大するシャトル外交をすべきだとも強調した。
文政権下の4年間で日韓関係は史上最悪とまで言われるほどに悪化し、日韓首脳会談は1度も開かれなかった。疎通に欠ける状態は、隣国関係を維持する上で問題なことなのかもしれないが、日韓関係は史上最悪と言われながらも一定の関係性を保っていたように思う。今の関係性が決して悪いとも言い切れない。だから、年に1度の日韓首脳会談の開催は頻度が多い気がしてならない。
彼は在任9カ月という短い首相時代に、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領と3度も首脳会談を行った人物だから、年に1度の会談はそれでも少なく見積もっての発言だったのだろう。しかし、会談の頻度を上げることは関係改善にはつながらないし、ましてや“条件なし”に互いが会談したところで、日韓関係が改善されることなどあり得ないと思うのだが。
●慰安婦問題について、日本は永遠に謝罪し、賠償を続けなければならない
2015年の「慰安婦問題日韓合意」について、鳩山元首相は「日本政府の『この問題を二度と持ち出すな』という態度が間違っている」「慰安婦被害者たちは、決して物質的な賠償を望んでおらず、真の謝罪を望んでいる」と語った。
一方で彼は、この合意は岸田首相が外相当時に締結したものだから「これを無効化することは難しい」とも認識している。だが、「合意を土台に、無限責任要素(加害者は被害者が大丈夫だと言う時まで謝罪しなければならない)を付加して、被害者に心から謝罪することが重要だ」とも述べた。
鳩山元首相の言う“無限責任要素”とは、被害者が「もういい」と言うまで日本は永遠に謝罪し、賠償を続けなければならないということだ。これでは、慰安婦問題日韓合意の「最終的かつ不可逆的な解決」は意味を為さなくなる。
●鳩山元首相が、韓国・アリランTVのインタビューに出演
韓国のアリランTV「アリランニュース」は6月9日、鳩山友紀夫元首相(注:2013年に由紀夫から友紀夫に改名)のテレビインタビューの様子を放送した。このインタビューはムン・ゴンヨンという女性アンカーが進行し、日韓関係、北東アジア情勢、文化交流などについて鳩山元首相に意見を求める内容だった。
鳩山元首相といえば、「竹島は韓国領土」という趣旨の文をSNSに掲載したり、2015年の訪韓時にソウル市西大門(ソデムン)刑務所で日本の歴代首相で初めてひざまずいて謝罪したりした人物だ。彼の謝罪は、韓国で「誠意が感じられる」と一定の評価を受けた。
加えて、最近では5月10日の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の就任式に個人枠で招待されて出席。尹大統領から「韓日関係の先生になってほしい」と言われ、再び注目を浴びたことが記憶に新しい。
彼は毎年韓国を訪れているし、韓国寄りの発言を繰り返すことから、「親韓」「知韓」の日本人として(韓国では)知られている。
●尹大統領に「日韓首脳が年に1度相手国を行き来すべき」と強調
鳩山元首相はインタビューでどんなことを話したのか。以下、アリランニュースで報じられた内容をお伝えする。
大統領就任式の前日、鳩山元首相は尹氏と2人きりで会った。
その時、尹氏から「韓日関係の先生になってほしい」と言われ、この内容は日韓両メディアで報道された。鳩山元首相はこの時、「日韓関係を発展させるためにできることは何でもしたいと思った」とインタビューで語っている。
彼は、尹大統領について「未来志向的な指導者だ」とインタビューで評価した。“条件なし”に、日本と対話をして日韓関係を改善したいという強い尹氏の意志を評価してのことだ。ちなみに鳩山元首相はこのインタビューで「“条件なし”の対話が必要だ」と数度にわたり言及した。
また、両国首脳が年に1度、相手国を行き来しながら、格式にこだわらない実務会談を開き、疎通を拡大するシャトル外交をすべきだとも強調した。
文政権下の4年間で日韓関係は史上最悪とまで言われるほどに悪化し、日韓首脳会談は1度も開かれなかった。疎通に欠ける状態は、隣国関係を維持する上で問題なことなのかもしれないが、日韓関係は史上最悪と言われながらも一定の関係性を保っていたように思う。今の関係性が決して悪いとも言い切れない。だから、年に1度の日韓首脳会談の開催は頻度が多い気がしてならない。
彼は在任9カ月という短い首相時代に、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領と3度も首脳会談を行った人物だから、年に1度の会談はそれでも少なく見積もっての発言だったのだろう。しかし、会談の頻度を上げることは関係改善にはつながらないし、ましてや“条件なし”に互いが会談したところで、日韓関係が改善されることなどあり得ないと思うのだが。
●慰安婦問題について、日本は永遠に謝罪し、賠償を続けなければならない
2015年の「慰安婦問題日韓合意」について、鳩山元首相は「日本政府の『この問題を二度と持ち出すな』という態度が間違っている」「慰安婦被害者たちは、決して物質的な賠償を望んでおらず、真の謝罪を望んでいる」と語った。
一方で彼は、この合意は岸田首相が外相当時に締結したものだから「これを無効化することは難しい」とも認識している。だが、「合意を土台に、無限責任要素(加害者は被害者が大丈夫だと言う時まで謝罪しなければならない)を付加して、被害者に心から謝罪することが重要だ」とも述べた。
鳩山元首相の言う“無限責任要素”とは、被害者が「もういい」と言うまで日本は永遠に謝罪し、賠償を続けなければならないということだ。これでは、慰安婦問題日韓合意の「最終的かつ不可逆的な解決」は意味を為さなくなる。