28日、ソウル永登浦区(ヨンドンポク)の国会前に、韓国野党「共に民主党」が掲げた横断幕だ。反対側には汚染水反対署名運動の横断幕もあった。「福島放射能水産物輸入5000万人に反対する!」というプラカードもソウル各地で目にすることができる。
民主党が日本の福島原発汚染水に党力を総動員している。28日現在、民主党主導の署名運動には10万人以上が参加した。来月3日には釜山(プサン)で場外集会を開く。国会レベルの福島汚染水放流反対決議案の採択も行う。汚染水視察団を対象に懸案質疑も推進中だ。
言葉はもっと荒々しい。民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は26日、ソウル光化門(クァンファムン)広場で開かれた署名運動出陣式で「福島原発の核物質汚染水は危険だから、安全ではないから、人体に有害だから、混ぜて海に捨てようということだ」と主張した。李代表は15日の党最高委員会でも「一緒に使っている井戸に毒劇物を入れておいて『安全だ』と主張する」とした。浄化処理された汚染水を毒劇物に遠回しに例えたのだ。民主党党員の中には「汚染水が安全なら飲んでみろ」というような発言も少なくない。鄭清来(チョン・チョンレ)最高委員は25日、フェイスブックに「大統領府から『福島印の汚染ミネラルウォーター』を注文して飲め」と書き込んだ。
しかし、民主党の一方的な福島汚染水反対の動きが「第2のBSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)事態を狙った扇動」という指摘も少なくない。国民の命に直結する重大な問題に精密にアプローチするのではなく、非科学的で刺激的なスローガンに頼っているからだ。2008年、李明博(イ・ミョンバク)政権が韓米自由貿易協定(FTA)交渉過程で米国産牛肉輸入の議論が浮上すると、進歩派陣営は「牛を利用して作る化粧品・生理用ナプキンなどを使っても狂牛病に感染する」「韓国人の95%が狂牛病に脆弱な遺伝子を持っている」など、怪談レベルの論理を連発した。MBC(文化放送)の調査報道番組『PD手帳』が主導した。光化門広場では「脳みそに穴が開く」と言ってろうそくデモが毎日行われた。
しかし、BSEの懸念は非科学的な陰謀論にすぎず、15年経った現在、BSE事態は悪質な扇動だったという評価が支配的だ。「ザ・モア」のユン・テゴン政治分析室長は「科学的に懸念を表明することと、反日扇動・恐怖煽動は違う」と話した。
中央日報日本語版2023.05.29 07:32
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