中央日報/中央日報日本語版2023.12.28 16:26
K(韓国)-ドラマ・映画・音楽から始まった韓国料理に対する好奇心はもう世界の人々を引き込んでいる。韓国の今年の農食品輸出額は過去最高の88億3000万ドル(約1兆2500億円)となり、世界の美食の本山と呼ばれるニューヨークには今年、ミシュランの星を受けた韓国レストランが11カ所もできた。ニューヨークタイムズ(NYT)ではこうした韓国料理の人気を取り上げ、「韓国料理がニューヨークのファインダイニングに新しい波を起こしている。フランス料理の独走体制に終止符を打った」と評価した。
いつよりも韓国料理に対する世界の人々の関心が高まっている。このような時期に私たちは何をどうするべきなのか。2010年に発足して以降「韓国料理のグローバル化」を目標に力を注いできた韓国料理振興院のイム・ギョンスク理事長に韓国料理の未来について聞いた。
--韓国料理の地位が変わった。
「ドラマ・映画・音楽などK-コンテンツの世界的な人気となり、韓国料理も注目された。もう韓国料理も韓国の代表的な文化コンテンツとして定着し、この数年間、オン・オフラインで爆発的な人気を得ている。一例として最近はキムパプ(のり巻き)と韓国式ホットドッグが米国でSNSを通じて話題になり、米国人の関心を集めた。キムパプは現地大型マートで品切れになり、韓国式ホットドッグの人気は米NBC放送で扱われた。この10年間、韓国料理を広報するために韓国料理振興院がインフラ構築や専門家の養成などを通じて韓国料理普及の基盤を築き、国際イベントおよび展示などで韓国料理の広報、韓国料理振興事業に積極的に取り組んできた結果だと考える」
--具体的にどんな役割をしてきたのか。
「韓国料理の人気が短期的な現象で終わらないよう、韓国料理の伝統性を守りながら質的・量的成長ができるよう牽引する役割をした。そのために国内外でさまざまな事業を進めているが、代表的なのは海外都市別に韓国レストランを結びつけて『海外韓食堂協議体』を作ったことだ。現地で安定的に韓国レストランを経営できるよう労務相談、国産食材料の支援、韓国料理広報行事の開催など韓国料理品質改善のためのさまざまな支援を提供している。また『海外優秀韓食堂指定制』事業を通じて昨年からニューヨーク・パリ・東京の優秀な店を選定している。2023年上半期に8カ所を指定し、国産食材料と伝統醤類などのインセンティブを提供し、最近は下半期の優秀韓国レストラン5カ所を発表した。このほか国内では産・学・研連携の韓国料理学術研究、産業・消費者実態調査などを通じて韓国料理産業発展のための基盤を構築し、ソウル鍾路区(チョンノグ)に『韓食文化空間イウム』を開館し、韓国料理ブックコンサート、クッキングクラス、展示会など多彩な韓国料理コンテンツを開発している」
--今年初めて韓国料理カンファレンスを開いた。
「農林畜産食品部と韓国料理振興院は10月、国内外の美食関係者とシェフ、メディアなどを招待し、国際『2023韓国料理カンファレンス』を開催した。世界的な美食業界関係者が集まり、『味の深みを探険する(Adventurous Table)』をテーマに韓国料理の発展方向とグローバルブランディング、韓国料理人材の養成について議論した。この席で多くの人たちが韓国料理ブランドの国際的な位置づけの必要性に共感した。韓国料理が世界美食分野をリードするための方向性を構築できる良い契機になったと考える。またカンファレンスに先立ち2日間の日程で各国の美食関係者を対象に韓国のキムチ文化、BBQ文化、菜食文化などさまざまな韓国伝統食文化を体験できる『2023韓国料理ワークショップ』を開催した。来年も韓国料理ブランディングのための多様な事業を進めていきたい」
「現地で人気がある韓国レストランが増え、美食世界の中で韓国料理の地位が高まっている。2010年にはミシュランガイドで星を受けた韓国レストランが1カ所もなかったが、2023年には31カ所に増えた。特に世界美食市場をリードするニューヨークで韓国料理が驚くほど成長している。2010年に韓国の『正食堂』が米国に進出して以降、次々と米国進出が続き、実力のある韓国人シェフがニューヨークの美食トレンドを主導している。食材料の面でも韓国料理は世界のトレンドとよく合う。健康な発酵食品、宮中・精進料理、屋台など多様な魅力、バーベキュー経験など、韓国料理の多彩で斬新な要素が海外の消費者の目を引いている」
--韓国料理を観光に結びつけるK-美食ベルトも進められている。
「地域別に散在する国内の美食関連資源を把握し、食材料-伝統酒-食品名人-郷土食が結びついた美食観光プログラム『K-美食ベルト』を作って国内美食観光を活性化し、Kフード輸出の増大を図っていく考えだ。美食解説士の育成、コンテンツ開発・広報、拠点文化空間造成、便宜施設など美食観光インフラ構築を支援し、2032年までにトップ30のテーマベルトを作る予定だ」
--地域の飲食を発掘して記録に残すのが印象的だった。
「地域飲食記録化事業は消えていく地域の飲食に関する記録を残し、これを保存し、私たちの食文化に対する関心を増進させようとして企画した。マッコリ、醤文化、水産物などさまざまなテーマを扱った地域飲食記録化学術セミナーを定期的に開催し、地域の飲食文化資源開発が活性化する機会を用意している。今年はソウル・仁川(インチョン)・京畿(キョンギ)地域を中心に35の自治体の35種類の代表的な飲食を記録し、調査報告書を出し、代表的な飲食を試演して写真と映像で記録した。来年上半期に韓国料理ポータルを通じて公開される予定だ」
--来年注力するプロジェクトは。
「国内で初めて国際美食行事『アジア50ベストレストラン』授賞式と付帯行事を国内で初めてソウルで開催する予定だ。この行事はアジア地域の最高のレストランを1位から50位まで選定し、美食業界が注目するテーマについて議論する行事で、2013年からアジア主要都市で進行してきた。『アジア50ベストレストラン』の国内誘致を通じて国際美食観光地として韓国の地位が強化され、シェフを含む国内外の外食業界関係者が交流する機会が増えると期待している」
--世界的に韓国料理が注目されている。
「韓国料理が世界的な人気を集めている現時点で、韓国料理の量的・質的成長のための取り組みを続けていけば、韓国料理は十分に美食トレンドを牽引する一つのグローバルブランドとして刻印されるだろう。そのためには国内外の韓国料理の品質をさらに徹底的に管理し、韓国料理の専門家を着実に養成することで、韓国料理産業の競争力を強化する必要がある。韓国料理振興院も競争力強化のための多様な事業に取り組んでいく予定だ。また、韓国料理が持つ価値と魅力を高めていき、韓国料理産業の発展のために努力を続けていく」
世界ベスト料理100 (国家別)
日本料理=2位
韓国料理=18位
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世界ベスト料理100 (メニュー別)
日本=7
韓国=0
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無慈悲