
海外で設置された慰安婦碑や像について日本政府は「(韓国以外で)少なくとも約30カ所」(岩屋毅外相)を把握している。設置の動きは2010年代に米国で活発化し、20年代にはドイツなど欧州に移行しつつある。現地の韓国系団体によって「日本軍は少女や女性を強制連行し、性奴隷にした」などと碑文で説明されるケースが多く、事実に基づかない主張に対する日本政府や民間団体の抗議で5カ所程度で撤去されている。
米国で17基、ドイツ5基
国別では米国の約17基が最多で、ドイツが5基。中国、豪州、フィリピン、カナダでも確認される。
米国で慰安婦の碑が最初に設置されたのは2010年10月、東部ニュージャージー州パリセイズパーク市の公立図書館の敷地内。「日本軍によって拉致された20万人以上の女性と少女」などと記され、自民党有志は当時、記載内容を事実無根として撤去を求めたが、市側は拒否している。
慰安婦像が、韓国国外で初めて設置されたのは13年7月の米西部カリフォルニア州グレンデール市。米国各地で拡散され、カナダでは15年11月、オンタリオ州トロント市に設置された。
ドイツ・ボンの像は「ナチスセンター」から
欧州で慰安婦像が初めて設置されたのは17年3月のドイツ南部バイエルン州ウィーゼントの公園とされ、首都ベルリン市ミッテ区の公有地にも20年9月に置かれた。区は24年9月に移転を命じたが、設置主の韓国系市民団体「コリア協議会」は命令差し止めを求め、今年9月まで存続が認められている。
ドイツでは3月にコリア協議会などの働きかけで、ケルン市の博物館「ナチス記録センター」、ヘッセン州のカッセル大学近くの教会にそれぞれ時限的に設置。今月28日にボン市内の女性博物館に除幕式が行われる慰安婦像はナチス記録センターの像を移設したものとなる。
24年6月にはイタリア・スティンティーノ市の公有地に慰安婦像が「大勢の女性を拉致して性奴隷にするなど、ホロコーストに匹敵する犯罪」と明記した碑文とともに設置された。
「政府は謝罪から始めている」
海外の慰安婦像の設置を巡っては、安倍晋三政権下で史実をもとに反論する動きが強まった一方、近年はドイツなどで設置が相次ぐ。
グレンデール市など海外の慰安婦像撤去を働きかける民間団体「なでしこアクション」代表の山本優美子氏は産経新聞の取材に「欧州などでは史実も分からず、韓国系団体に『女性の人権問題だから…』とだまされて、設置する事例が目立つ」と指摘する。
山本氏は、日本政府の取り組みに一定の理解を示した上で、こう苦言を呈す。
「政府は慰安婦問題を海外で説明する際、まず最初に謝ることから始めている。その後、『強制連行はなかった』など説明しても何ら説得力はない。謝るだけで終わる場合もある。謝らず、『慰安婦の強制連行などなかった』と事実関係を示すだけでいい」
韓国内では150を超える慰安婦像が韓国政府の調査で確認されている。
政府は「遺憾」2基撤去
フィリピンでは17年12月、マニラ湾沿いの遊歩道に、中華系団体などが慰安婦像を設置し、マニラ近郊のサンペドロ市でも18年12月、韓国の団体が贈呈した慰安婦像が設置された。日本政府はそれぞれ「遺憾」を表明し、2基は撤去されている。
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